先日、カンボジアの
スラムの村を訪れました。
案内してくれたのは、
カンボジアのシェムリアップで
自費で孤児院を運営し、
35人の子どもたちを養いながら
教育、職業訓練まで
行なっている親友、勇太。
最も尊敬する友だちの一人です。
シェムリアップは、
世界遺産アンコールワットのある
日本でいうと京都のような、
歴史的建造物も
多く建ち並ぶ観光の街です。
華やかで人通りも多い表通りから
一本裏通りに入ると、
ガラリと雰囲気が変わって
道路も舗装されておらず、
素っ裸で歩いている
小さな子どもたちの姿…
その更に奥に、
勇太が仲良く交流している
スラムの村がありました。
『ヘイ!ユータ!』
笑顔で出迎える
村人や子どもたち。
いかに勇太が日常、
この方たちのために
貢献されているのかが
分かります。
透き通った瞳で
足に抱きついてくる、
かわいい子どもたち。
3~4歳の
素っ裸の少年は
お腹が膨れ上がり、
栄養失調の
症状が出ていました。
お腹が膨れるのは、
水で大きくなっているのではなく、
栄養が足りずに
腸がガスを
発生しているからです。
先日も、小さな子が
38度の熱で亡くなった、と。
栄養が足りず、
身体に免疫が無いので
少し熱が上がると
あっという間に
死んでしまうのだそうです。
ここでは、日本よりも遥かに、
死が間近にあります。
命の重みは同じはずなのに…
しばし村人と歓談の後、
勇太の表情が一変します。
『ええっ!!!
おかしいと思ったんだ。
そんな…』
聞けば、
ここはスラムとはいえ
観光地なので、
住むのに地代や家賃を
払わなければならない
らしいのですが、
ずっとそのお金を
払えなかった
10世帯ほどが
強制退去になったと…
ただでさえ貧しく、
仕事も無く、
生きることが難しい
スラムを追い出されて
どこに行かなければ
ならないのかは、
推して知るべしです。
『また、探しに行ってみます…』
何とか笑顔を作りながら、
私が日本から持参した
お菓子やおみやげを
一緒に配り始めました。
子どもたちは
本当に嬉しそうに
受け取ってくれたのですが、
6歳くらいの男の子が
ビスケット菓子の
袋を開けた途端、
ニコッと笑って
最初の一つを
私に差し出してくれました。
『ありがとう…
いいよ、食べてね…』
栄養も足りず
お腹がペコペコなはずなのに、
どうして
分け与えてくれようと
するんだろう、
なぜそんなことが
出来るんだろう…
言葉にならない思いと共に、
目頭が熱くなります。
なんと崇高な魂なのか…
その後も子どもたちと村人で、
仲良く分け合って
美味しそうに
お菓子を食べ始めました。
『こんなに美味しいもの
食べたのは、
久しぶりだわ』
おばさんも嬉しそうです。
目の前には、
2メートルほどの高さの
巨大な袋いっぱいに詰められた、
空き缶の山。
子どもたちが手分けして
町中を歩き回り、
丸二日かかって
集めたものだそうですが、
これを売っても
わずか200円ほどにしか
ならないのだとか。
いくらカンボジアの物価が
日本より安いとは言え、
200円では
大したものは買えません。
人懐っこい、
4歳くらいの女の子が
『最近、お金持ちの車を
洗車する仕事を始めた』
と教えてくれました。
『何時から何時まで
仕事するの?』
『9時から6時くらい』
『…それでお給料は
いくらもらえるの?』
私はその答えを聞いて
絶句しました。
日本円にして、
50円。
小さな子が
身を粉にして働いても、
一日ぶんの食費にもならない。
働く意思はあるのに、
仕事が無い…
発展途上国の
貧困層の現状。
本やインターネットを通して
「知っているつもり」
になっていた自分を
改めて感じました。
ふと周りを見渡すと、
屋外にあるハンモックで
一人の痩せたおばさんが
身体を休めていました。
こちらを見てニコッと
笑いかけてくれましたが、
表情に元気がありません。
体調でも悪いのだろうか…
と思っていると、
案の定、近くに住む
医療の知識がある、
という男性が
栄養剤の入った点滴を
おばさんのために
持参してきました。
点滴を打ちながら、
じっと中空を
見つめているおばさん。
何か気になって
そちらを何度か見ていると、
勇太が話しかけてきました。
『ヒロさん、
こんなこと言っちゃ
いけないかも
しれないんですけど…』
『ん?どうしたの?』
『あのおばさん…
死んじゃうかもしれません…』
『なっ…!?』
『10日前くらいに来た時、
すごくふくよかな
おばさんだったんです。
10日であんなに
痩せてしまうなんて
おかしい…。
しかも、白人みたいに
真っ白で肌のきれいな
人だったのに、
あんなに黄色く
なってしまって…
内臓にも何か
影響があるとしか…』
『……!!!』
返す言葉を失いました。
今、目の前で
つらそうにしている
人がいるのに、
栄養も医療も足りない…
『また、僕も出来る範囲で
何かお手伝いしてみますね…』
勇太はどこからも
支援を受けずに、
自ら必死に働いて
稼ぎながら孤児院を
運営されているので、
それだけでも大変なはず。
『また、来てね…』
笑顔で手を振ってくれた
おばさんに見送られながら、
村を後にしました。
日本に帰ってきてからも、
村の子どもたちや、
あのおばさんの表情が
いつも脳裏に浮かんできます。
圧倒的な自分の無力さを
改めて思い知らされて、
私に何ができるだろう?と
いつも自問自答します。
与えられた自分の命を
いかに成長させて、
誰にどう貢献しながら
この命を使わせてもらうか、と。
勇太が、素晴らしいプランを
持ってきてくれました。
『ヒロさん、僕が
孤児院の子どもたちと
一緒に運営している、
シェムリアップの夜店を
支援してもらえませんか』 と。
その夜店では、
勇太がタイに行って
仕入れてきた材料で
子どもたちと一緒に作った
パワーストーンや
アクセサリーを、
孤児院の子どもたち
自らの手で売っています。
その運営費を
支援してもらえたら、
そこで上がった利益で
子どもたちが自分で
ご飯代を稼げる上に、
そのうちの何割かを
スラムに回せる。
親に捨てられたり、
地雷で足を失った
孤児院の子どもたちが
『働いて、稼いで、
自分で生活しながら
誰かの力にもなれる』
ということを学べると共に、
カンボジアの人たち同士の
ありがとうが生まれる、と。
なんという素晴らしい
プランなのでしょうか…
いつもいつも、子どもたちと
カンボジアの人たちのために
何ができるか、
それだけを考えている
勇太ならではの
アイデアでした。
この五月から、
その支援活動を始めます。
また今年の秋には、
多くの人たちを
シェムリアップにお連れする
スタディツアーを計画しています。
世界遺産観光もしながら、
美味しいものも食べながら、
子どもたちとも触れ合ってもらい、
夜は日本人が運営する
素晴らしいホテルを貸し切って
講演やワークショップなど。
美しいプールもついています。
既に、
日本の引きこもりの子が
勇太や孤児院の
子たちと触れ合い、
引きこもりをやめて
医学部に入ってしまった、
というケースもあるそうです(笑)
その収益はもちろん、
全額子どもたちや
スラムの人たちの
生きる力を応援できるように
寄付させて頂きます。
秋にかけて、
私が主宰する
人間力アカデミー『UNIVER』の
東京校、大阪校が開校し、
そして
究極のセールスアカデミーも
開校と、
ますます大忙しになります(^^♪
与えられたこの命を使って、
縁ある人たち、
目の前の人の幸せを
これからも全身全霊で
応援させて頂きます。
色んな発表を、
どうか楽しみにお待ち下さいね(^^♪
大切な皆様が、
今日も素晴らしい一日と
なられますように。
いつもありがとうございます。